Dreams
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10ここから    ある日「この方法」という言葉が僕を追いかけて来た。僕はビックリした。「この方法」とは何か?僕は「この方法」が何なのかさっぱり見当がつかなかった。まわりを見渡すと皆、「この方法」で何やら会話をしていた。初めは何が起きたのか分からなかった。Mさんが僕の目を見て、「何か話したいことがあるんじゃないの?」とニコニコしながら近づいて来た。そして、僕の手を取り「何か話したいことがあったらどうぞ。」と話しかけてくれた。Mさんの手が僅かに動いて僕の心に思っていることが、Mさんの声でスラスラと聞こえて来たのにはビックリした。目玉が飛び出しそうだった。「なぜ?」「どうして?」自分の考えていたことが、人の声で聞こえるなんてステレオで聞いているような錯覚に落ちた。「どうして自分の気持ちがMさんの声で自分の耳に聞こえてくるのか?」謎は深まるばかりだった。それでも自分の考えている事と同じ内容が聞こえて来たので、僕はなんだか自由になったような気がして、最高にいい気分になった。僕は「この方法」が僕の前にやって来た事が、神様からのプレゼントのような気がしていた。僕はこれで人に気持ちを伝えることができるかもしれないと思った。

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