Dreams
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足立哲朗11僕の人生は今ここからスタートするのではないか。今までは我慢と諦めという修行の中で暮らしていたけど、今ここから修行を乗り越えて僕の人生がスタートするのではないか、そんな風に感じられた。その日はなかなか寝られなかった。なんだか嬉しくて希望の光が見えたのが寝ることで消えてしまうのではないかと思った。でも、数日して又、あのMさんが、僕に語りかけて僕の手を取って、気持ちを声にしてくれた。そうだ、これは現実なんだ、僕はここからスタート出来るんだと確信した。僕はK 園という施設に入所している。かなり重度な障害があるらしく大変手のかかる入所者らしい。僕にとってこの施設は、とても住み心地がいいし、スタッフは笑顔で接してくれる。僕は思いどうりに気持ちを伝えることが出来ずに暮らしていたけれど、どういうわけか僕の気持ちを悟って優しくしてくれた。そんな暮らしもまんざらではなかったが、嬉しい時や感謝の気持ちを相手に伝えられたらいいなといつも思っていたのも事実だ。僕は自分の人生で恵まれていたのは人との出会いだった。たくさんの出会いによって成長してきた。その中でも「この方法」は強烈だった。多くの人が「この方法」に出会えることを期待している。なぜならば、人生を変えるほどのことだからだ。なぜ「この方法」が普及しないのだろうか?「この方法」が普及して多くの多くの障害者が救われることを僕は願っている。             

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