Dreams
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里見英則51れた時も、それは痛くて笑っていると、その人に教えてくれました。それからは、僕が笑っているときは、「どこか痛くても、笑うこともあるから注意して下さい」と、みんなに伝えてくれました。僕は、僕が笑う理由をわかってくれたお母さんとお父さんに、心の中でいつも「ありがとうございます」と言っていました。僕がこの方法で、言葉を伝える事が出来るようになったとき、一番最初にお母さんに「ありがとうございます」を伝える事ができて、僕は嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、僕は笑うことも出来ずに硬直してしまいました。僕の胸は口から飛び出したかと思うくらいびっくりして、僕の心の中の気持ちが言葉になって先生の声でお母さんに届けられた日のことは、忘れる事ができません。この方法と言うのは、介助付コミュニケーション方法のことです。僕は、重度の障害があり、自分の力では、話すことも食べることも、歩くこともできません。でも、介助の人に手伝ってもらい手で字を書いたり、文字盤を指す方法で言葉を伝える、介助付コミュニケーション方法を教えてもらい、あきらめていた心の中の言葉を人に伝える事ができるかもしれない、とわかった時には、絶対にできるようになりたいと思いました。僕は、この方法をお母さんとケンカをしながら練習をしました。それで、僕はやっと、いつでもお母さんと話ができるようになりました。

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