堀田希央さん 家族へのインタビュー

Q. この方法(Facilitated Communicationや筆談など)を知ったきっかけは何でしたか?
A. IAHPを訪問した時、当時のスタッフから「やってみない?」と言われて、スタッフの介助で文字盤を使ってみたのがきっかけでした。当時4歳でしたが、いきなり二語文が出てきたので驚きました。
Q. どうして、このコミュニケーション方法を信じましたか?信用するきっかけになった具体的なエピソード(当事者でしかわからないことが、筆談や文字盤で分かった的な例があれば)がありましたら、教えてください。
A. 一番最初にスタッフとFCをしたときは、本やカードの内容が「つまらない」と言われてショックでしたが、本人は自分の意志が伝わってとても嬉しそうにしていたこと/母親とFCができるようになって以降、最初は二語文だったのが、だんだん慣れるにしたがって文章が三語文、四語文と長くなっていき、また希央独特の言い回しがあるなど、文章にかなり特徴があったこと/母には見えない状態で、希央に見せた文章の指差しができたこと/父親と二人ででかけた先での事を尋ねたら、「おばさんにあめもらった」と答えたので、「そのあめはどこにあるの?」と訊いたら、「ぽけっとのなか」と言うので探したら、本当にポケットの中からあめが出てきたなど、私は知らないこともいろいろ教えてくれたので。

Q. なぜ自分でこのコミュニケーション方法をやってみようと思いましたか?
A. 実はIAHPのレクチャーシリーズの後、一度試した事があったのですが、その時はまったく上手くできず、「うちの子にFCは無理なんだ」と諦めてしまいましたが、研究所でのFC体験で打ちのめされてしまいました。それまでのプログラムで大量のカードや本を見せて、問題解決プログラムも全部正解が出ていても、正直希央から言葉が出てくるとは夢にも思いなかったのですが、彼が言葉を持っている、と分かった以上、ぜひやってみたいと思いました。

Q. 実際にやってみて、当事者との関係がどう変わりましたか?また、あなた自身は、当事者を見る目が変わりましたか?
A. 最初、希央は「自分の考えている事が人に『伝わる』という体験を不思議に思った」と言っていました。FCが生活に定着してくると、次第に自分の主張をするようになり、結果ドーマン法は止める事になってしまいました(笑)ほんの小さな子どもだと思っていたのが、彼なりの独特な世界観を持っていたり、豊かな感性を育んでいる事を知って、FCに夢中になりました。また、発達障害を抱える人々の独特な世界観を知るにつれ、普通に暮らしていてはおそらく気付かなかったであろう、人間という存在の大きさを知ることになりました。

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